いきなり2.5時間の急登で修行僧の気分に
大日平への登山道は人が通り過ぎるのがやっとという細い道。周囲は木々で覆われているので直射日光を遮ってくれるというメリットはありますが、序盤は単調なつづら折りの山道が続きます。
ガイドの佐伯さんが全体のペースを見ながらゆっくりと引っ張っていってくれるのですが、バックパックを背負っての急登は想像以上のしんどさ。一定の間隔で小休止を取りながら進んでいきましたが、今振り返っても、ここの急登が今回のツアー行程のなかでも一番辛い道のりでした。
90分ほど歩いたところで、ようやく全員が座って休憩できるスペース「猿ヶ馬場」に到着。といっても、猫の額ほどの広さなので、肩を寄せ合っての昼食です。気温も25度を超え、腰を下ろすと体中から汗が吹き出してくるのが分かるほど。「9月なのに夏登山のような暑さですね」と佐伯さんも異常な気温に驚いていました。
30分ほど休憩したら出発。「ここからさらに1時間、かなり急な上りが続きます(笑)。そこを超えれば景色もきれいな湿原なのでがんばりましょう」と佐伯さん。その言葉どおり、はしごや鎖場など、昼食前よりも険しい上りが続きます。
ちなみに、今回のツアー参加者で男性は2名のみ。それぞれ「登山経験はほとんどない」と言いますが、二人ともかなりの健脚の持ち主。険しい道の連続にも軽い足取りで進んでいました。
「猿ヶ馬場」から約1時間、3mほどの長いはしごを登れば、ようやく急登が終了。ここから先は牛の首の骨のように細い尾根の形から「牛の首」と呼ばれるルートへと続きます。
看板を見ると、「称名滝」からここまでの距離はたったの1.67km。約2時間以上かけて登ってきたのに、距離にすると大したことありません…が、これは登山あるある。ようやく、一日目ルートの半分までやってきました。
(この事業は環境省補助事業で実施いたしました。)
明日へつづく・・・
文:まついただゆき
写真:下城英悟